Witch and Vampire ―恋物語―
しかし、ここで予想外の出来事が起こった。

グサ

何かが胸に刺さった。

「がはっ・・・」

口から血が出てきた。

ぼたぼたと落ちる。

「すまんな。ナイト。」

「ク、ラ・・・?」

目の前が霞む。

俺は前に向かって倒れた。

カーディンがソラに向かって剣を振った。

ザッという音がして、ソラから血が出ているのがわかる。

しかし、それと同時にソラの魔法は終わった。

カーディンは完全に石像となった。

そして、ソラも倒れた。

「こいつももう終わりか。」

そう言うと、クラと思われる人物が石像を倒した。

石像は頭から割れた。

「ソラを連れていきたいところだが、」

そう言うと、そいつはこちらを見た。

「ナイトのためにやめておくよ。」

「もく、てきは、なん、だ。」

「あれ、言ってなかったっけ。」

そいつはしゃがむとソラの頬を撫でた。

「最終的なものとしては、バルデン様の復活。人間の支配。かな。
バルデン様は復活はしてるんだけど、完全体じゃないんだよね。」

そいつは立ち上がり、今度はカーディンだった石像を蹴りながら続けた。

「そろそろ魔力も集まってきたし。あとは呪いの日を待つだけなんだよね。
禁書も手に入れたし。」

跡形もなく崩れさった石像をそいつは魔法で燃やした。

「残り、二ヶ月だっけ。精々頑張って。」

また会えるのを楽しみにしてるよ。

そう言うと、カラスとなって飛んでいった。

俺の意識はそこで途切れた。
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