Witch and Vampire ―恋物語―

事情

目が覚めると、俺はベッドの上だった。

「あ、起きた?」

俺は声がするほうへ首を動かす。

そこには黒い髪をした青年が微笑んでいた。

「・・・誰だ・・・?」

俺はそう呟くと、青年は悲しそうに目を逸らした。

すると、頭に激痛が走った。

「うぐっ!?」

続けて喉が焼けるように痛くなり、呼吸が出来なくなる。

「がはっ・・・!」

何かをつかもうと手が伸びては、空を切る。

と、ここで心臓が大きく脈打った。

ドクン

「が、ぁ・・・」

何かに侵されている。

さっきの青年が誰かを呼んでいるのが聞こえる。

ドクン

目が霞む。

ドクン

誰かがやって来て、何かを言っているが、その内容を理解することができない。

ドックン

さっきは意識を失っただけだったが、とうとう死ぬのだろうか。

ドック、ン

目の前が暗くなり、まるで深い深い海の底へ沈んでいくような感覚になる。

ドッ

すると、突然液体が口の中に流し込まれた。
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