Witch and Vampire ―恋物語―
そのころ、ソラはナイトと別れて早々に迷子になっていた。
「・・・。どこ?」
ソラの手にあるのはパンフレット。
つまり地図である。
「最初に・・・。」
パンフレットを開き、職員室を探す。
「あった。」
この学校は敷地面積がすさまじく大きい。
そのため、教室が色々な棟に分かれている。
つまり、ソラが使う教室はC棟だが、職員室はA棟である。
A棟に今から10分以内に行かなければいけないのだが・・・。
「ここ、どこ・・・?」
正門からかなり歩いたので、現在地すらわからない。
それどころか生徒も全然通らないため場所を聞こうにも聞けない。
(聞く勇気もないけどな・・・。)
そんなことを考えている時だった。
「えぇ、ほんとー?」
「そうそう!さっき見たんだって!」
女子生徒2人がこちらに向かって歩いてきた。
「あ、あの・・・。」
「でさー、やっぱりかっこよかったんだよねー。」
「私も会いたーい!」
ソラの声は小さすぎて、2人とも聞こえないといった様子で通り過ぎて行った。
しかも、通り過ぎた後、
「・・・さっきの人誰?」
「1年じゃない?」