Witch and Vampire ―恋物語―
そう言って、小さく馬鹿にしたように笑いながら行ってしまった。
「・・・。」
今までこんな風にされたことがなかったソラは、その場所から動けずにいた。
そんな時だった。
「えっと、大丈夫?」
「・・・え?」
自分と同じくらいの身長で、顔が小さくて、きれいな金髪を一つで三つ編みにした同じ制服を着た子がいた。
「どうかしたの?」
その子は私の顔を覗き込んでもう一度尋ねた。
「えっと、A棟・・・。」
「A棟?ってことは編入生?そっかー。」
そう、一人で納得しながらソラの手を引っ張って歩いていく。
「え、あの・・・。」
「ん?なに?」
そう小さくつぶやいたソラの声は聞こえたらしい。
こちらを見て立ち止まってくれた。
「あの、ありがとう・・・。」
「ううん。どういたしまして。じゃぁ、行こうか。」
そう言って、今度は隣に並んで歩き始めた。
「名前はなんていうの?」
「・・・ソラ・デクルマ。」
「ソラちゃん?目の色と同じだねー。」
「うん・・・。」
今の目の色はカラコンを付けていて青なだけだが、訂正はしなかった。