Witch and Vampire ―恋物語―
「じゃぁ、そろそろ教室に行こうか。」
「はい!」
「良かったよ。緊張がほぐれたみたいだね。」
「・・・え?」
「ん?今こうして僕と楽しくおしゃべりしてて、ちょっとは緊張がなくなったと思ったんだけど・・・。違った?」
確かに、少し教室に行くのが楽しみになってるような気がする。
「そうですね。学長とお話ししてて、すごく楽しかったです。」
「ふふ。キミは可愛いね。じゃぁ、行こう。」
「・・・可愛い・・・?」
最後の言葉に疑問を感じながら学長についていく。
「あ、そうそう。僕のことは学長じゃなくて、ルークって呼んでほしいな。」
「ルーク先生・・・?」
「うーん。ルークさんはどう?」
「わかりました。」
庭から移動してC棟に向かう。
「ルークさん。私、はどこのクラスですか?」
「ん?うちの学校にクラスはないんだ。だから、授業ごとに移動してね。」
「そう、なんですか・・・。」
授業ごとに移動するのは大変そうだ。
「キミのカリキュラムはこれだ。今は11時だから、ここの教室だね。」
「いいんですか・・・。今授業中ですよ・・・?」
「いいよいいよ。」
そう言って、静かに後ろのドアに手をかけた。