Witch and Vampire ―恋物語―

ガラガラ・・・

そこは、とても広く長い机が同じ長さの椅子と一緒に備え付けられていて、前になるにつれて階段みたいに低くなっているという形だ。

一番前には黒板という大きな板に白い棒みたいなもので文字をおばさんが書いていた。

そのおばさんの周りには色々な年齢の子供が集まって、真剣になにかを見ていた。

「あれは?」

「ここからだと、よく見えないね。前に行こうか?」

「いえ。眼鏡があるんで・・・。」

ポケットから眼鏡を取り出してかけてみる。

前にテラに買ってもらったものだ。

黒い縁で、四角い。

私の視力にあっているため、気持ち悪くなることもない。

見てみると、黒板には数枚の絵が張ってあった。

「・・・ぅあ・・・。」

急に背筋が寒くなり、数歩下がる。

右足に力が入りにくくなり、よろけるようにルークの腕をつかむ。

「だ、大丈夫?」

突然よろけたソラを椅子に座らせた。

「あの絵はなんだか知ってるかい。」

ソラは小さくうなずくと
「昔、見たことがあります。」

「じゃぁ、大体のことは知ってるよね。」

「はい。

昔、魔女と人間とヴァンパイアが知り合った100年後のこと。

もうひとつの種族が現れた。

彼らは無理に近い人間たちの願いを叶えていった。

そして、彼らはその人間の精力を吸いとっていった。

そんなことが数十年、続いたある日のことだった。

人間が急死する出来事が相次いで起こった。

何がなんだかわからなかった哀れな人間たちはまた彼らに助けを求めた。

すると、彼らは言った。

’全部魔女のせいだ。’と。

その日から魔女狩りが始まった。

人間たちは魔女を生け捕りにして、彼らに渡した。

そんなことが続いたある日。


< 60 / 131 >

この作品をシェア

pagetop