Witch and Vampire ―恋物語―

魔女を生け捕りにしてもまだ状況が改善されないことに人間が気づいた。

’いったいどうなっているんだ!’

’昨日も私の夫が死んだのよ!’

そんな人間たちをあわれむように彼らは言った。

’馬鹿なやつらだ。’

’今さら気づくとは。’

’もう遅い。’

そう言うと彼らは姿を醜い生き物になり、その場所にいた人間たちを吹き飛ばし、周辺の村を襲っていった。

そしてある村の長が魔女と魔法使いと団結し、彼らを封印した。

約500日もかかった、彼らと人間たちの長い戦争だった。

そして人間たちは同じ過ちを繰り返さないように長い間、この事を語り、教えていった。

そして、彼らのことを私たち人類は’悪魔’と呼んでいる。」

「そう。そして、悪魔のことを知ってる人は皆死んでしまってるからね。今ではもう伝説みたいなもんさ。」

小さく笑いながらルークは言った。

ソラは手を握りしめ、俯きながら小さく呟いた。


「・・・もし、悪魔が復活しつつあると言ったら、どうしますか。」


「・・・え?」

「なんでもないです。」

ソラはまた前を向いた。

ルークもそれ以上の詮索はしなかった。




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