Witch and Vampire ―恋物語―
さっきまで遠くの方へ行こうとしていた足音がこっちにだんだんと近づいてきた。
そして、自分の近くに止まった。
息をひそめる。
だが、そんな努力もむなしく、
「隠れるなんてひどいなぁ~さぁ、一緒に行こうか?」
にやにやと笑いながらそう目の前に現れて、手を自分の顔に伸ばした。
自分もこれまでか。
悲鳴を上げる余裕もなく、ただ前にいる顔を見つめていた時だった。
「・・・おい。」
「あぁ、見つけたぜ。早く連れて行「何やってんだてめぇ。」
そういうと、目の前の男は横にすっ飛んで行った。
飛んでいった方向からギャッというような悲鳴が聞こえる。