Witch and Vampire ―恋物語―
「ここか。」
俺はソラの言っていた部屋の前にたどり着いた。
「なんか、がさごそっていう音がしたんだ。」
「ここには古い書物があるんだ。たぶんソラが聞いたのは紙が擦れる音だったんじゃないか?」
「ん?そうかもしれないな。」
曖昧な返事をするソラ。
俺はゆっくりとドアを開けた。
静かに開くドア。
ソラが服の裾を強く握った。
俺は攻撃体制にはいった。
全部のドアが開いたとき、そこには人がいた。
そいつは顔をばっと上げると、こちらを見た。
赤い目をしたそいつには見覚えがあった。
そいつは、
「・・・クラ?」
俺は小さく呟いた。
「カラスに化ける悪魔、クラウディス・・・。」
そう、ソラははっきりと言った。