coffee time
また、後ろからの先輩の視線が
刺さるのを感じる。

ヤマシイコトなんてないけれど
誤解を招くコトはしたくない。
私は、仕事でココへ来てるから。

「亜季ちゃん、じゃあね。」
と泰輔くんはニコッと笑って
学部棟に向かって駆けて行った。

亜季ちゃん…って…。

毎日、こんな感じ。
毎日、毎日。笑っちゃうくらい。

泰輔くんは、目がくりっとして
前髪が長めで、少しだけ
女の子みたいな子だった。

オシャレで、ケタケタよく笑う男の子。
大学の学生の一人、だった。

駆けてく泰輔くんを見ながら
少し微笑んでしまう。

私にもあんな頃があったなぁ。

高校の時、好きな先生を
ずっと追いかけていたのを
思い出した。

大人な先生が大好きだった。
完全な片想いだったけれど、
ずっと追いかけていた3年間。
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