coffee time
「待っててくれたの?」
目を丸くして聞いてしまった。

「そんなんじゃないよ…。」

あれ。泰輔くんてこんなに背が
高かったっけ…?
ずっと、見上げてしまう。

そう言えば、受付カウンターは少し
事務所側が1段高かった。

「じゃぁ、送ってもらおうかな。」
と甘えてみせて、続けて…
大人ぶって一言付け加えた。

「貸し借りじゃないけど…
送ってもらうお礼、させてよ。
おいしいお店あるの。行こう。」

私は泰輔くんの後ろに座った。
単車の後部座席はまた高くて
パンツスーツでよかったって思った。

エンジンの重低音と暗いところで
まるで、私と泰輔くんだけ
居るみたいだった。

ぎゅっと、後ろから掴まった。
泰輔くんの背中は大きい。

「どこに連れてったらいい?」
と聞く泰輔くんに道案内をした。
風が気持ちよくて心臓も高鳴る。
とても…ドキドキする。
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