ヤマネコ日記。

二度目の始まり。

その日は、朝から日差しが強く、春にしては少し暑かった。
暑かったと言っても、制服のブレザーは相変わらず手放せない。
校則違反のキャメル色は、藍色のそれよりも暖かく見えた。

昼過ぎに潜る校門にはもちろん、教師おろか、生徒だって一人もいなかった。
それもそのはず、今はきっと入学式の真最中なのだから。
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