いとしのトナカイくん
あたしはすっくと立ち上がり、こぶしを握りしめる。
「ちょっとあんたたち、今なんだって?!」
「おばさんって言ったんだよ! バーカ!」
「バーカ!!」
「なーにーっ??!」
思いっきり両手を振り上げて威嚇してみせると、キッズは「ワーッ!!」と声をあげて逃げて行った。
その後ろ姿を見送った後、あたしはがっくり、肩を落とす。
「うう……まだギリギリ10代なのに……」
「………」
相手が小学生だとわかっていても、『おばさん』のひとことは結構ショックだ。
隣りのトナカイは相変わらず、何を考えてるのかわからない目で、あたしを見下ろしている。
……ていうか最近、なんだかあたしはツイてないのだ。
買ったばかりのブーツのヒールが折れたし、定期を落とすし。同じサークルの、ちょっといいなあと思ってた男の子には、実は彼女がいたし。
極めつけに、クリスマスに女子会しようって言ってた独り身仲間の友達ふたりには、3日前になって「ごめーん、こないだの合コンでふたりとも彼氏出来ちゃったてへぺろ★」と言われ、当然ながら女子会はナシになり。
ええもう、ヤケクソでバイト入れてやりましたよ! クリスマスなのに!!
「ちょっとあんたたち、今なんだって?!」
「おばさんって言ったんだよ! バーカ!」
「バーカ!!」
「なーにーっ??!」
思いっきり両手を振り上げて威嚇してみせると、キッズは「ワーッ!!」と声をあげて逃げて行った。
その後ろ姿を見送った後、あたしはがっくり、肩を落とす。
「うう……まだギリギリ10代なのに……」
「………」
相手が小学生だとわかっていても、『おばさん』のひとことは結構ショックだ。
隣りのトナカイは相変わらず、何を考えてるのかわからない目で、あたしを見下ろしている。
……ていうか最近、なんだかあたしはツイてないのだ。
買ったばかりのブーツのヒールが折れたし、定期を落とすし。同じサークルの、ちょっといいなあと思ってた男の子には、実は彼女がいたし。
極めつけに、クリスマスに女子会しようって言ってた独り身仲間の友達ふたりには、3日前になって「ごめーん、こないだの合コンでふたりとも彼氏出来ちゃったてへぺろ★」と言われ、当然ながら女子会はナシになり。
ええもう、ヤケクソでバイト入れてやりましたよ! クリスマスなのに!!