あまーいトリックオアトリート!
あまーいトリックオアトリート



「トリックオアトリート!」



今日は、ハロウィン。私、魔美村優未。勇気を振り絞って、魔女の衣装を着て夜に好きな人の家にイタズラしにいきました。



田村隆太。17歳高校二年生。私と同級生で同じクラス。

田村君は、背が少し低くて160ちょっと。
顔が小さくて、目が大きい。…お人形さんみたい。
綺麗な金髪に、瞳が水色でビー玉みたいにキラキラしてる。

でも。いつも無表情で。無口。ちょっと不思議な男の子。




田村君の家の玄関の前で、笑顔で手を挙げる。



「……もし、お菓子あげなかったら。どんなイタズラするの?」

ちょっとした沈黙の後、田村君は私に疑問をふりかける。

「え、えっと……」

そう言われても…。

「まぁ、いいや……。はい、アメ」

田村君は、私がくるのがわかっていたかのように、ズボンのポケットからイチゴ味のアメ玉一粒を私に渡した。

「へ?ありがとう」

私は、お礼を言ってアメの袋を開けて、口に放り込んだ。



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