あまーいトリックオアトリート!
あの出来事から、一年後。私達は、平和なお付き合いをしながら過ごして。高校三年生のハロウィンを迎えました。
…放課後の教室。2人きりになったとき。私は田村君の名前を呼ぶ。
「田村君…」
彼は、私を無視して窓の外を眺めていた。教室の窓から射し込む夕陽に照らされている彼は、とても格好良い。
「……………………」
…………あ、そうだった。
「隆太君」
「なに?」
私の声にちゃんと答えてくれて。
ニコッと微笑んでくれる隆太君に、私は少しの間見惚れる。
あの日より、身長が伸びた隆太君は。前より女子に人気も出て。嫉妬をしちゃう時が、結構出来てしまった。
でも、隆太君は。私にだけ、笑顔を見せてくれるようになった。
それだけでも、私は嬉しくて幸せで。