あまーいトリックオアトリート!





隆太君が座っている席の近くまで、歩いていき。私はニコッと笑って言った。


「トリックオアトリート……」


「………はい…。アメ…」

去年のハロウィンとは違う。レモン味のアメ玉。

「ありがとう。隆太君……」

私が、レモン味のアメ玉を口に含むと。隆太君は、私の頭を優しく撫でてくれた。

甘酸っぱいレモン味のアメ玉をなめながら、私は隆太君の顔を見つめた。


本当に…身長伸びたな…。去年は、殆ど同じ目線だったのに。

今は、見上げないと、隆太君の顔が見れない。


「優未」

「……ん?」

隆太君が、私と視線を合わせる。綺麗な目に、吸い込まれそうな感覚に陥る。

「トリックオアトリート」


隆太君は、そう言うと顔を近付けてきた。…だけど。



< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop