あまーいトリックオアトリート!
隆太君が座っている席の近くまで、歩いていき。私はニコッと笑って言った。
「トリックオアトリート……」
「………はい…。アメ…」
去年のハロウィンとは違う。レモン味のアメ玉。
「ありがとう。隆太君……」
私が、レモン味のアメ玉を口に含むと。隆太君は、私の頭を優しく撫でてくれた。
甘酸っぱいレモン味のアメ玉をなめながら、私は隆太君の顔を見つめた。
本当に…身長伸びたな…。去年は、殆ど同じ目線だったのに。
今は、見上げないと、隆太君の顔が見れない。
「優未」
「……ん?」
隆太君が、私と視線を合わせる。綺麗な目に、吸い込まれそうな感覚に陥る。
「トリックオアトリート」
隆太君は、そう言うと顔を近付けてきた。…だけど。