どうしてこうなるの?私達の日常生活


「おかえり~兄貴、守♪」


黒いジャケットの男が、コーヒー片手に城島の車の前で座り込んでいた。

もう一人の弟、進である。

見た目はさほど悪い感じは無いのだが、素行が悪い。イラつくとすぐ人や物に当たり、女遊びも激しい。大体標的は守で、金銭関係は城島が被害にあう。3兄弟の中で、一人だけ一匹狼のような弟。


進の姿を見た守は、城島を楯にして隠れる。両手は、城島の背中をぐっと握られていた。

「何で隠れんだよ、守!遊ぼうぜ!」

怖がる守をよそに、進は城島を挟んで守に話しかける。しかし、守は城島から離れようとはしない。


「チッ・・・」


進はそういいながら、ポケットに入っていたチョコバーを開けるとガッと噛み千切った。


「進・・・」


呆れた顔で、城島は進むに話しかける。進は、イラついた顔で城島をにらみつけると「何だよ。」と言葉を吐き捨てる。


「お前さ、もう33なんだから・・・」
「だからなんだよ(怒)」
「いい加減、守にこんなことすんのやめろ。」


その言葉を聴いた瞬間、進は苦虫を噛み潰したような顔をすると“チッ”としたうちをするとそのままどこかへ立ち去ってしまった。


「あいつ・・・」


城島は、ポケットからタバコを出すと、それを加える。そして、背中にぴたっとくっつく守に「とにかく、上がっていけ(笑)」と言った。守はその言葉を聴いた瞬間、城島から離れた。城島はその瞬間、後ろを向いて、守の目をじっと見つめこういった。

「おまえも、もう32なんだから・・・でも、俺のところ来たんだし・・・よくがんばった。」

そういって、守の肩を抱いて「行くぞ!」といいながら部屋へと向かっていった・・・。

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