どうしてこうなるの？私達の日常生活
あまりの要求に、呆然とする桜。その顔を見て笑い出した進は「冗談だよ！」と言って、そのチョコレートを２つに割り始める。

「ほい。」

半分だけ袋に入ったチョコレートを桜に返す進。そして、うれしそうにポケットの中にしまいこんだ。

「あっ、これも返す。」

そういって、携帯電話を桜に返すとどっかに行こうとしたので、桜は進の手を掴むと「要さんに話したいことがあるって・・・」と確認する。

しかし・・・


「俺は、慌てふためく兄貴が見れるだけでいい（怒）」


と言って桜を振りほどこうとする。
しかし、桜も負けていない。強く握って離さなかった。そして、進がさっき言った要求と同じようなことを口にしたのだ。


「チョコレートあげたんだから、私の要求も受け入れてください！」


苦虫を噛み潰すような顔をしながら、後ろを振り向くと「ガキが偉そうに・・・」と言って桜を壁に押し付ける。そして、桜の顔の高さまで自分の顔を下げる。


「な、何ですか？」
「もう兄貴の前に出られないようにしてやろうか？」


ドスの聞いた声をわざと出しながら、桜に突っかかる進。しかし、桜はそんな進に負けないように静かに口を開く。


「じゃ、要さんと話している時のあの顔なんですか？すごく悲しい顔してましたよ。」


それを聞いた進は、顔を紅くさせながら「てめぇ・・・。」というと、桜を抱きしめ
、耳元で「めちゃくちゃにしてやるよ、お前の人生。」と囁いた。

< 153 / 286 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop