どうしてこうなるの?私達の日常生活

数時間後

「じゃ、行ってくるわ!」
「いってらっしゃい!!」
「写メ忘れずに!」
「そんなことできるか!!」
「へ~い!」

弟達に見送られながら、城島と桜は家を後にする。
普段どおりの桜に対して“ガッチガチ”に緊張している城島。車のハンドルを握る手もどこか震えている。

「要さん、大丈夫?」

桜は、そんな城島に声をかけるのだが「だ、大丈夫・・・。」とただ正面を向いて答えるだけだった。

「な、何か手土産持っていかないと・・・。」
「大丈夫ですって!」
「でも、大事な桜のことで話しにいくんだから。」

そういいながら、車はデパートの中へと吸収されていく・・・。

数時間後

桜と城島は再び車に乗り込んだ。
手土産の生菓子を後部座席に置くと車は再び桜の実家に向けて走り出す。

車の中で続く無音な時間。
桜は、運転する城島の姿を見つめる。
いつもと同じスーツ姿なのに、緊張している顔にドキッとしてしまう。

「どした?」

赤信号で止まると同時に、城島の口から飛び出した言葉。
ドキッとしながらも「な、なんでもないの!なんでもない。」と言って、ふたたび顔を下に向けた。


数十分後

「あっ!ここです!」

桜は、城島にそう告げる。そこには、ごく普通の一軒家が建っている。車を降りる二人。そして、玄関の前に立つと、城島が静かにチャイムを押した。

< 236 / 286 >

この作品をシェア

pagetop