どうしてこうなるの?私達の日常生活
PM5時19分
「お疲れ様でした。」
次々と帰っていく社員。数分後、部屋の中は城島と桜だけになった。
「桜・・・あのさ・・・」
コーヒーを持って桜の隣に座る城島。桜の前にコーヒーを置くと「勝手な事して、ごめん。」と小さな声で謝り始めた。
「お、俺・・・その・・・」
「もう、いいですから(笑)」
桜は、そういうと机の引き出しを開け、赤い包みの小さな箱を取り出した。
「はい(笑)」
城島の前に置かれたバレンタインチョコレート。城島は目に涙をためながら「桜・・・これ・・・」とゆっくり呟く。震えた手でその箱をもつと、桜のいる方向にゆっくり顔を向けた。
「これからもずっとよろしくお願いします(笑)」
城島はその言葉を聴いた瞬間、桜をぎゅっと抱きしめ「こんな俺だけど、よろしくお願いします!」と桜の耳元で話すのだった。
その頃・・・
「何やってるのよ、どんくさいわね(怒)」
「がんばってるじゃん(笑)」
ジェインと小中が車の中から、何かを見つめている。その先には、学校帰りのあやめと進の姿が・・・。
「でも、まさかだよね。」
ジェインは、そういいながら小中からもらったチョコレートを口の中に放り込む。そして、口をもぞもぞさせながら話を続けた。
「あやめちゃんが好きになったのが、城島部長の弟さんだったなんて。このままゴールインになったら、僕達と城島部長と桜と親戚になるんだね、よく考えると(笑)」
それを聞いた小中は「そうね。あやめの事を考えると仕方のないことだけど、私にとっては・・・」と呟く。
グチャ・・・
ジェインはその音と同時に、足元に視線を向ける。小中の手の中で変形した紙コップ。そこに気持ちが集約されていると感じたジェインは、言葉に出来ない恐怖心を感じていた。