甘い恋の始め方
なんだか恥ずかしいなと思ったその時、自分の名前を呼ぶ声がして振り返る。
振り返った先にいたのは、高校からの友人である小林あずさだった。
彼女は紺色のスーツを着ている。
地味なスーツを着ているあずさはこの婚活パーティーの主催のスタッフ。
受付の女性と同じように、胸にネームプレートを付けている。
このパーティーを申し込んだのは彼女の勧めでもある。
ちょいちょいと指で呼ばれ、理子はあずさに近づく。
「理子、可愛いじゃない」
「年甲斐もなく。を忘れているわよ」
可愛いと言われて喜ぶ年ではない。
「まったくひねくれ者ね」
あずさは理子のそっけなさに笑う。
「今日はすごいわよ」
「何がすごいの?」
あずさの言う意味がわからなくて、首をかしげる。
「それがね、ハイステータスの男性の中でも、一番カッコいい人がハイステータスよ」
「あずさのカッコいい基準はあてにならないわ」
「あら、理子より目は肥えているはずよ。この仕事歴、もう7年目なんだから。がんばりなさいね。早くお嫁に行けるように」
(実際、本当に結婚したいのかわからない。周りが次々と結婚しているから焦っている。こんな出会い系のパーティーに参加して、私に合う人が見つかるのかわからないし。やっぱり好きにならないと、結婚はしたくない気持ちもある。妥協で結婚しちゃだめよね……)
振り返った先にいたのは、高校からの友人である小林あずさだった。
彼女は紺色のスーツを着ている。
地味なスーツを着ているあずさはこの婚活パーティーの主催のスタッフ。
受付の女性と同じように、胸にネームプレートを付けている。
このパーティーを申し込んだのは彼女の勧めでもある。
ちょいちょいと指で呼ばれ、理子はあずさに近づく。
「理子、可愛いじゃない」
「年甲斐もなく。を忘れているわよ」
可愛いと言われて喜ぶ年ではない。
「まったくひねくれ者ね」
あずさは理子のそっけなさに笑う。
「今日はすごいわよ」
「何がすごいの?」
あずさの言う意味がわからなくて、首をかしげる。
「それがね、ハイステータスの男性の中でも、一番カッコいい人がハイステータスよ」
「あずさのカッコいい基準はあてにならないわ」
「あら、理子より目は肥えているはずよ。この仕事歴、もう7年目なんだから。がんばりなさいね。早くお嫁に行けるように」
(実際、本当に結婚したいのかわからない。周りが次々と結婚しているから焦っている。こんな出会い系のパーティーに参加して、私に合う人が見つかるのかわからないし。やっぱり好きにならないと、結婚はしたくない気持ちもある。妥協で結婚しちゃだめよね……)