甘い恋の始め方
「悠也……も、彼女とでしょう?」

「男同士で行ったら気持ち悪いですよね」

車はアクアラインを通り、そこから鴨川シーワールドへ向かってるよう。

土曜日ということもあり道が混み、目的地へ到着したのはお昼少し前。

「お腹空いていますか? どこかへ寄ってから来れば良かった」

悠也は館内案内のパンフレットを見て言う。

「こういうところは食事が美味しくないかもしれません」

「普通のデートなんですから、ここで食べましょうよ」

小さな子供を連れた家族連れがかなりいる。

「美味しそうですよ?」

理子は館内のレストランに足を進めた。

ずらっと並んだイスとテーブルは食堂を思わせる。

がやがやと賑やかなレストランで食事を終わらせて、館内を見て回る。

ちょうどシャチのショーも見られ理子は悠也のデートを楽しんでいた。

悠也も楽しそうだ。

それもそのはず。悠也の趣味はスキューバダイビングだった。

休暇が取れると、近場の海外の海へ潜りに行くのだそう。

「素敵な趣味ですね」

アウトドアよりインドア派な理子には縁のない世界だ。

「興味があれば一緒に潜りましょう」

「私にもすぐに出来ますか?」

「ええ。習えばすぐに」


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