甘い恋の始め方
水族館を見て回った最後に、ふたりは土産売り場に立ち寄った。
そこで悠也は理子に大きなシャチのぬいぐるみを買った。
抱きかかえるほど大きいシャチ、行き交う子供に見られ恥ずかしくなる。
そばに子供がいるのならともかく、29歳の独身女性だ。
「こんなに大きくなくても……」
シャチのぬいぐるみをぎゅうっと抱きしめ、顔をうずめがちに呟く。
「欲しいと言ったのは理子さんでしょう?」
「欲しいって言いましたけど……」
店内に置いてある一番大きいシャチのぬいぐるみを買うなんて思いもよらなかった。
「初デートの記念ってことで」
「ありがとうございます。嬉しいです」
内心、理子は子供のようにはしゃぎたかった。
抱きかかえるほどのぬいぐるみは生まれて初めてだ。
「本当に嬉しい?」
「はい。本当に嬉しいです。29歳でも嬉しいんですよ?」
「喜んでもらえてよかった。理子さんが小さい子が持っているシャチを奪わないように買ってあげたんですよ」
「えっ!? 私、そんなもの欲しそうな顔をしていたんですか?」
そんなことを思われていたなんてギョッとなる。
「嘘です」
悠也にからかわれて理子は呆れたように笑った。
そこで悠也は理子に大きなシャチのぬいぐるみを買った。
抱きかかえるほど大きいシャチ、行き交う子供に見られ恥ずかしくなる。
そばに子供がいるのならともかく、29歳の独身女性だ。
「こんなに大きくなくても……」
シャチのぬいぐるみをぎゅうっと抱きしめ、顔をうずめがちに呟く。
「欲しいと言ったのは理子さんでしょう?」
「欲しいって言いましたけど……」
店内に置いてある一番大きいシャチのぬいぐるみを買うなんて思いもよらなかった。
「初デートの記念ってことで」
「ありがとうございます。嬉しいです」
内心、理子は子供のようにはしゃぎたかった。
抱きかかえるほどのぬいぐるみは生まれて初めてだ。
「本当に嬉しい?」
「はい。本当に嬉しいです。29歳でも嬉しいんですよ?」
「喜んでもらえてよかった。理子さんが小さい子が持っているシャチを奪わないように買ってあげたんですよ」
「えっ!? 私、そんなもの欲しそうな顔をしていたんですか?」
そんなことを思われていたなんてギョッとなる。
「嘘です」
悠也にからかわれて理子は呆れたように笑った。