甘い恋の始め方
「嫌ですか?」
「嫌じゃ……ないです」
「良かった」
悠也は微笑むと、理子のグラスに赤ワインを注ぎ足した。
「悠也も飲んで――」
悠也のグラスにワインを注ごうと瓶を手にすると、その手が大きな手に包み込まれる。
今日一日一緒にいて初めて触れられた。
物が手渡された時とか、不意に軽くぶつかるときはあったけれど、こうやって手を重ねられ包み込まれるのは初めて。
心臓がドクッと鳴り、ワインが回った頭が彼でいっぱいになる。
「自分で淹れますよ。理子さんも遠慮せずに飲んで」
悠也は重ねた手を離し、自分のグラスにワインを注ぐ。
(びっくりした……この人、私がドキドキするのをわかってやってるの?)
満たされたワイングラスを形の良い唇に運んでいる。
一口飲み、喉仏が動くさまは官能的で、理子の身体が早くも疼き始めてきた。
(これ以上酔いがまわると、いらぬことを話してしまいそう)
セーブをしようと思うが、ついグラスに手が伸びてしまい飲んでしまう。
悠也が会計を終わらせ、椅子から立ち上がる頃には頭がぼうっとしていた。
「嫌じゃ……ないです」
「良かった」
悠也は微笑むと、理子のグラスに赤ワインを注ぎ足した。
「悠也も飲んで――」
悠也のグラスにワインを注ごうと瓶を手にすると、その手が大きな手に包み込まれる。
今日一日一緒にいて初めて触れられた。
物が手渡された時とか、不意に軽くぶつかるときはあったけれど、こうやって手を重ねられ包み込まれるのは初めて。
心臓がドクッと鳴り、ワインが回った頭が彼でいっぱいになる。
「自分で淹れますよ。理子さんも遠慮せずに飲んで」
悠也は重ねた手を離し、自分のグラスにワインを注ぐ。
(びっくりした……この人、私がドキドキするのをわかってやってるの?)
満たされたワイングラスを形の良い唇に運んでいる。
一口飲み、喉仏が動くさまは官能的で、理子の身体が早くも疼き始めてきた。
(これ以上酔いがまわると、いらぬことを話してしまいそう)
セーブをしようと思うが、ついグラスに手が伸びてしまい飲んでしまう。
悠也が会計を終わらせ、椅子から立ち上がる頃には頭がぼうっとしていた。