甘い恋の始め方

女友達の赤裸々発言

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顔に太陽の光が当たり目を覚ました理子。

目を閉じたまま、隣に眠る悠也へと手を伸ばした。

だが、その手は空を切り、パタッとシーツの上に落ちて目を開ける。

隣に眠っていたと思っていた悠也はおらず、クイーンサイズのベッドには理子ひとりだった。

目を覚ましてひとりだったことが酷くむなしい。

(昨晩、あれだけ情熱的な一夜を過ごしたのに……)

悠也に抱かれて目を覚ましたいと思うのは期待しすぎなのだろうか。

2度目のセックスは互いに近づけたと思ったのに、それは自分だけの思いだったのだろうか。

ベッドにひとり、目を覚ましたことで昨日近づけたと思った心が離れてしまったように感じる。

(彼にとって私はすぐに身体を差し出す都合の良い女なのかもしれない)

昨晩、悠也が電話をしていた相手も気になる。

理子はどんどん悠也に惹かれている。

(でも、悠也さんは……?)

理子は考えを振り切るように頭を大きく振り、身体を起こした。

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