甘い恋の始め方
寝室の隣にあるバスルームでシャワーを浴びてタオルを身体に巻きつけると、ベッドルームに戻る。

昨日着ていた服は読書用のイスの上に置かれ、その上にパッケージに入ったままのショーツがある。

(昨日買ったの……?)

パッケージを見るとコンビニの値札があった。

(記憶がないんですけど……)

新しいショーツを身につけ、昨日着ていたブラウスとスカートを着てカーディガンを羽織ると寝室を出た。

ドアを開けると同時に、リビングのソファに足を組んで座った悠也が顔をこちらへ向けた。

カッターシャツにダークブルーのベスト、スラックス姿で爽やかに微笑む。

「起きたんですね。おはようございます」

手にA4サイズの書類を持っている。

朝から仕事をしていたようだ。

「おはようございます……あの、シャワーをお借りしました」

どうも他人行儀になってしまう。

そんな理子に悠也がクスッと笑う。

「そんなこと断わる必要などありませんよ。ここの物はなんでも自由に使ってください。あ、コーヒー飲みますか?」

「私、朝食作ります」

朝の8時。

昨日ワインを飲みすぎてブラックコーヒーをたっぷり飲んで頭をスッキリさせたいが、ここは女性らしさを見せなくては。


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