甘い恋の始め方
ウソは突然に
「あっ!」
理子は部屋に響くような大きな声を出した。
翔に会ったことで、浩太に施術してもらった髪をすっかり忘れていた。
鏡に駆け寄ってみて驚く。
伸びすぎていた前髪はちょうど良くカットされ、レイヤーを入れた髪はふんわりと女らしく顔の周りをとりまいている。
(腕、良いんだ……あのまま出てきちゃって悪かったな……)
理子はスマホをバッグから取り出すと、浩太の番号へかける。
すぐに浩太は出た。
『理子さん、さっきは済みませんでした』
電話に出るなり浩太が謝ってくる。
「翔に会ってびっくりして出てきちゃってごめんね。それと、すてきな髪型にしてくれてありがとう。ちゃんとお礼が言いたかったの」
『いつでもやりますから言ってください』
(私はまた期待をもたせてしまったのだろうか?)
「ううん。もう頼まないから……ごめんね。浩太君。これが最後」
『理子さん! そんな!』
「浩太君なら年上の私なんかよりずっとお似合いの女の子がいるはずだよ?」
『そんな子がいたら、理子さんにアプローチしていませんって』
「……ごめんね。私の心には別の人がいるから」
浩太がなにか言いかけるのを理子は黙って電話を切った。
理子は部屋に響くような大きな声を出した。
翔に会ったことで、浩太に施術してもらった髪をすっかり忘れていた。
鏡に駆け寄ってみて驚く。
伸びすぎていた前髪はちょうど良くカットされ、レイヤーを入れた髪はふんわりと女らしく顔の周りをとりまいている。
(腕、良いんだ……あのまま出てきちゃって悪かったな……)
理子はスマホをバッグから取り出すと、浩太の番号へかける。
すぐに浩太は出た。
『理子さん、さっきは済みませんでした』
電話に出るなり浩太が謝ってくる。
「翔に会ってびっくりして出てきちゃってごめんね。それと、すてきな髪型にしてくれてありがとう。ちゃんとお礼が言いたかったの」
『いつでもやりますから言ってください』
(私はまた期待をもたせてしまったのだろうか?)
「ううん。もう頼まないから……ごめんね。浩太君。これが最後」
『理子さん! そんな!』
「浩太君なら年上の私なんかよりずっとお似合いの女の子がいるはずだよ?」
『そんな子がいたら、理子さんにアプローチしていませんって』
「……ごめんね。私の心には別の人がいるから」
浩太がなにか言いかけるのを理子は黙って電話を切った。