甘い恋の始め方
(やっぱり行かなければ良かった。バカ理子! もう彼と会っちゃいけない)

浩太に好意はもっているけれど、それは弟みたいな感覚。

弟みたいな感覚だけど、甘い言葉を言われたり、スキンシップをされれば胸はドキドキする。

でも、悠也にそうされた方が何十倍も胸が高鳴るのだ。

(加奈の二股の意見、それもありかなと思ったけれど、不器用な私には出来ない。唐突だったけれど、これで浩太君とは会わない)

「人生は初のモテ期だったのかもな~」

理子は大きくため息をつくと、冷蔵庫から缶チューハイを出し、プルトップを開けて飲んだ。

「3日経てば会える」

恋する女の頭の切り替えは早い。

理子は悠也の言葉を思い出していた。

『俺たちの関係は一歩ずつ、近づいていますね?』

「そうよ! 進まなきゃ!」

気持ちの整理はついた。

(今週末、同じ会社の社員だということを言おう。正直に言えばわかってもらえるはず)

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