甘い恋の始め方
「ありがとう。がんばってくるね」

栄養補助ドリンクは味が美味しくなくて好きではないが、疲れている身体に効いてくれるかもしれない。

理子は加奈の目の前で開けて飲み干した。

そのあとに飲みかけのコーヒーで口直し。

「会議、何時から?」

「11時からなの」

「お昼休みまでの1時間で終わる簡単な会議なのかしら」

「どうかな……」

昨日確認したファイルの内容に嫌な予感がしていた。

上海の大手企業のシステムプログラミングを請け負うと共に、ホームページを作り直す案件。

理子はホームページのデザインを担当するのだが。上海の企業というところが引っ掛かっていた。

(この仕事、まさか久我副社長が関わっていないわよね……?)

やっぱり早く言うべきなのだと強く思う。

こんな心配事は精神上良くなく、心臓にも悪い。


< 142 / 257 >

この作品をシェア

pagetop