甘い恋の始め方
「俺が今まで社内恋愛をしなかったのは、噂になるのも困りますが、別れたときにゴタゴタがあると困るからです。ですが、理子さんとは結婚を前提にお付き合いしているつもりでした。だから、同じ会社であったとしても問題なかったんです。気を揉ませてしまいましたね」
理子は石が乗ったように重かった肩が軽くなった気分になる。
「でも、副社長室では……」
「ああ……責める言い方をしてしまいましたね。俺を知っていたのならば、あの夜は計算ずくだったのかと少し苛立ちました。裏切られた気分になって、あんな言い方を。申し訳ありませんでした」
「怒って……いないんですか?」
「ええ。怒っていません。理子さんのすべてを知ることが出来て良かった。正直に話してもらったのに、それを許せないほど器の小さな男ではないつもりです」
「悠也さん……」
今まで悲しくて泣きたかったのに、今はホッとして涙が出てきそうだった。
悠也の腕に抱き寄せられて、理子は優しく抱きしめられた。
「まだ愛はありませんが、好きですよ。理子さんも俺が好きですよね?」
悠也の唇が理子のこめかみにそっと触れる。
理子はこくっと頷いた。
理子は石が乗ったように重かった肩が軽くなった気分になる。
「でも、副社長室では……」
「ああ……責める言い方をしてしまいましたね。俺を知っていたのならば、あの夜は計算ずくだったのかと少し苛立ちました。裏切られた気分になって、あんな言い方を。申し訳ありませんでした」
「怒って……いないんですか?」
「ええ。怒っていません。理子さんのすべてを知ることが出来て良かった。正直に話してもらったのに、それを許せないほど器の小さな男ではないつもりです」
「悠也さん……」
今まで悲しくて泣きたかったのに、今はホッとして涙が出てきそうだった。
悠也の腕に抱き寄せられて、理子は優しく抱きしめられた。
「まだ愛はありませんが、好きですよ。理子さんも俺が好きですよね?」
悠也の唇が理子のこめかみにそっと触れる。
理子はこくっと頷いた。