甘い恋の始め方

結婚の手順?

白金台にある康子の自宅の駐車スペースに悠也は車を停めた。

車から降りようとしたとき、ふと気になって理子は口を開く。

「悠也さん、叔母様は私たちが婚活パーティーで知り合ったことをご存じなんですか?」

「今日、君を連れていくことは言っていないんだ。驚かせたくてね。それから正直に話してもらってもかまわないよ。康子さんがおぜん立てした出会いなんだし。俺が幸せな結婚をすることを望んでいる。理子を見たらきっと喜んでくれるはずだ」

そう言ってエンジンを切った悠也は車から降りた。

(本当に付き合いの短い結婚を喜んでくれるのかしら……? 余命を宣告されているから叔母様は焦っているの?)

「理子?」

運転席から回ってきた悠也は助手席のドアを開けて、ぼんやりしている理子に問いかけるような眼差しを投げかける。

「あ、はいっ」

理子はワンピースの裾に気をつけながら車から降りた。

そのとき――

「悠也!」

少し驚いたような女性の声がした。

その声に振り返ると、テレビで見たことのある女性が立っていた。

店舗の方から出てきたようだ。

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