甘い恋の始め方
「康子さん」

悠也と一緒にいる理子を見て驚いた康子の顔。そんな叔母を見て悠也は満足げに微笑む。

「一緒にいるきれいなお嬢さんはまさか……?」

康子は理子を見つめてから、嬉しそうに目尻に皺を寄せた。

「そのまさかですよ。小石川理子さんです。プロポーズを受けてもらえました」

いきなり駐車場での紹介に、理子は心の準備をする間もなく慌てて頭を下げた。

「はじめまして。小石川理子です」

「なんて良い日なんでしょう! 来てくださって嬉しいわ。よろしくね。理子ちゃん」

有名なデザイナーだが、気さくに明るく話しかけてもらい理子の緊張が少し和らぐ。

「さあさ、家の中へどうぞ。私はお店から行きますから。悠也、案内して」

康子は60歳とは思えないくらい弾んだ足取りで店に入っていった。

悠也と理子は洋館の玄関から入った。

スリッパを履いたところで、店とつながっているドアが開いて康子が姿を見せた。

花束と手土産の紙袋を見ると、康子は子供のように喜んでくれる。

お手伝いの女性が入れてくれた紅茶を3人は飲みながら会話が弾む。

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