甘い恋の始め方
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数えきれないくらいの純白のウエディングドレスに理子は瞳が輝く。

反対側の壁一面にお色直しのカラフルなドレス。

「試着してみる? 理子ちゃんのサイズも測りたいし」

康子の首にはすでにメジャーがかかっている。

「悠也、時間かかるわよ。理子ちゃんがドレスに着替えたら呼びに行くわ」

店に一緒についてきた悠也だが、ざっとウエディングドレスを見てから手持ち無沙汰用のようだ。

「じゃあ向こうに行ってるよ」

悠也は自宅に戻った。

「さてと、理子ちゃんはどんなドレスが好きかしら?」

康子は純白や生成りのウエディングドレスを見せる。

「29歳の女でもおかしくないデザインを……」

プリンセスラインのフリルがたっぷりあるドレスが気になるが、29歳の自分には乙女チックすぎて似合わなそうだ。

理子の視線を追った康子は、プリンセスラインのそのドレスを手に取って見せる。



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