甘い恋の始め方
(人の命を理由に嘘をついたらいけない。康子さん自ら話した方が良いに決まっている。あ! だから悠也さんはプロポーズを急いだの? 叔母様が半年しか生きられないと知ったとき、身近にいたのは私だったからプロポーズしたの?)

嫌な考えが脳裏をよぎり理子は重い気持ちになったが、それよりも康子に同情してしまう。

自分が亡き後、悠也に家族を作りたかったのだ。

「康子さん、私は悠也さんを愛しています。先ほどお話した通り、会社で何度か見かけたことがあって憧れていたんです」

「ありがとう。これからも悠也を愛してね。愛情に恵まれなかった子だから。これで話しは終わりよ」

そう言ってから、短時間で描いたデザイン画を康子は見せてくれる。

プリンセスラインにバラのような花が散らされとても美しい。

「少し膨らみを減らしてみたの。Aラインより若干膨らみがあるわ」

「素敵です。特にお花が」

「ここの部分はオーガンジーがいいわ」

康子は夢中になって説明してくれた。

それから理子は身体のサイズを測られ、ウエディングドレスを着てみるように言われたときに悠也が現れた。


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