甘い恋の始め方
悠也を無事に両親に紹介することが出来て安堵した。そのせいなのか、康子の自宅を出る前から身体にだるさを感じていた理子は眩暈を感じていた。
(私、熱がある?)
「お姉ちゃん、胸がいっぱいなの? 大好物のお寿司が減っていないわよ?」
「えっ? あ、うん」
「顔が赤いみたいだ」
悠也に顔を覗き込まれ、理子のおでこに手のひらが置かれる。
(うわっ、親の前で……)
人前でこんなことをされたことのない理子は赤みのある顔が更に赤くなりそうだった。
「熱い。熱がある」
「熱……」
自分は熱があったのかと、今認識する。
「あら、知恵熱かしら?」
何たる母親だろう。知恵熱じゃなくて単なる風邪。そう言えば喉が痛い。
そこへ愛美が体温計を持ってきてくれた。
測ってみると38度近くあった。だるさは感じていたけれど、おそらく緊張していて起きていられたのだと思う。
「理子、今日は泊まって行きなさい」
そう言ったのは父。
(私、熱がある?)
「お姉ちゃん、胸がいっぱいなの? 大好物のお寿司が減っていないわよ?」
「えっ? あ、うん」
「顔が赤いみたいだ」
悠也に顔を覗き込まれ、理子のおでこに手のひらが置かれる。
(うわっ、親の前で……)
人前でこんなことをされたことのない理子は赤みのある顔が更に赤くなりそうだった。
「熱い。熱がある」
「熱……」
自分は熱があったのかと、今認識する。
「あら、知恵熱かしら?」
何たる母親だろう。知恵熱じゃなくて単なる風邪。そう言えば喉が痛い。
そこへ愛美が体温計を持ってきてくれた。
測ってみると38度近くあった。だるさは感じていたけれど、おそらく緊張していて起きていられたのだと思う。
「理子、今日は泊まって行きなさい」
そう言ったのは父。