甘い恋の始め方
悠也が最初に話した相手は食事のときに目の前に座っていたふくよかな女性。

名前の下に年齢も書かれており３１歳。良妻賢母になりそうな雰囲気はある。

しかし悠也は惹かれない。

それから数人と話し、次にお嬢様の雰囲気の女性が悠也の前に座った。

「霧ヶ峰　さやかと申します。よろしくお願いいたします」

話し方も上品だ。粗野な自分には合わないタイプだと思う。

この女性も悠也は惹かれなかった。

最後のひとり、悠也が気になった女性の番だった。

ベビーピンクのワンピースを着てメイクも若々しく可愛いと思う。

名前は理子。年は２９歳。

（２９歳には見えないな。しかし、服装はマニュアル通りだな。初めての参加なのだろうか？）

「久我悠也です。よろしくお願いします」

「……小石川理子です。よろしくお願いします」

彼女は一瞬、躊躇してから名前を名乗った気がした。

（なぜなんだ？）

前もってもらっていた資料を見た。

「趣味はカフェめぐりですか」

「はい。休日は新しいカフェを探してまったりするのが最近多いです」

「そこに彼氏はいないんですか？」

ごく普通の女性で、男性からモテそうな気がした悠也は聞いていた。

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