甘い恋の始め方
(考えると言えばいいのだろうか? 俺がこの結婚を止めることはないのだが)

なぜ、結婚を止めることはないと自信があるのか、悠也はそこを考えていなかった。

そこがわかっていたら、理子に不安な思いをさせることはなかったのだが。

「……わかった。良く考えてみるよ」

悠也の返事に理子は言い知れぬ衝撃を受けた。

(こんなにもこの言葉がつらいなんて……)

「……お返事は……26日にしてください。それまで会わないで」

(あぁ……私はМなのだろうか。誕生日もクリスマスも一緒にいられないように言うなんて……)

「……わかった。そうしよう」

(結婚前にこれくらいのことはあって当然なのかもしれない。俺たちはまだ会ってから日も浅いしな)

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