甘い恋の始め方
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長い2泊3日の小旅行だった。たかが3日間、なのにこれほど長いと思ったことは今までなかった。
5冊持っていった恋愛小説は1冊も読めておらず、ボストンバッグに重さを与えているだけ。
集中できずにこの2日間、寝るか食べるか温泉に入るかの生活を繰り返していた。
硫黄泉の温泉のおかげで、肌だけはすべすべになった気がする。
(悠也さんに会いたい……別れると言われたらどうしよう……)
良く考えてほしいなんて言わなければ、今頃恋人のまねごとが出来ただろう。
今日は30歳の誕生日。そして恋人たちの一大イベント、クリスマス・イブ。
美味しいディナーを食べてホテルに泊まり、明日はそのまま仕事に出社する。そんなカップルが多いのではないだろうか。
(私は……)
「はぁ~」
スマホの電源を入れるのが怖い。悠也からなんの音沙汰がなかったら……と思うと、いつまでもスマホを手の中で遊ばせていた。
重い足取りで自宅に着いたのは夕方、部屋に入るとそのままベッドにゴロンとなる。
「あー……食べるものがなんにもなかったっけ……」
駅前のパティスリーでクリスマスケーキを売っていたのを思い出す。
長い2泊3日の小旅行だった。たかが3日間、なのにこれほど長いと思ったことは今までなかった。
5冊持っていった恋愛小説は1冊も読めておらず、ボストンバッグに重さを与えているだけ。
集中できずにこの2日間、寝るか食べるか温泉に入るかの生活を繰り返していた。
硫黄泉の温泉のおかげで、肌だけはすべすべになった気がする。
(悠也さんに会いたい……別れると言われたらどうしよう……)
良く考えてほしいなんて言わなければ、今頃恋人のまねごとが出来ただろう。
今日は30歳の誕生日。そして恋人たちの一大イベント、クリスマス・イブ。
美味しいディナーを食べてホテルに泊まり、明日はそのまま仕事に出社する。そんなカップルが多いのではないだろうか。
(私は……)
「はぁ~」
スマホの電源を入れるのが怖い。悠也からなんの音沙汰がなかったら……と思うと、いつまでもスマホを手の中で遊ばせていた。
重い足取りで自宅に着いたのは夕方、部屋に入るとそのままベッドにゴロンとなる。
「あー……食べるものがなんにもなかったっけ……」
駅前のパティスリーでクリスマスケーキを売っていたのを思い出す。