甘い恋の始め方
くちづけは恋の始まり
――
―――――
――――――――
3ヶ月後のようやく春の兆しが訪れた大安の日。
ふたりが都内のホテルで結婚式を挙げる日がやってきた。
理子は大きな鏡に映る自分を見つめた。
すでに花嫁の支度は終わっており、鏡の中の理子は康子が細部にまで気を使ってくれた美しいウエディングドレスを着ていた。
光輝くパールと美しい模様のレース、理子が幼い頃、夢に見たお姫様のドレスのよう。
アップにした髪を飾るのはパールのティアラ。耳と首を飾るのもダイヤとパールの宝石だ。
「お姉ちゃん、お姫様みたいね。なんて羨ましいんでしょう。私、結婚早まったかな~、お姉ちゃんぐらいまで待てばセレブな王子様がやって来るかもね」
自分のときはホテルのレンタルドレスで、比べ物にならないほど姉の着ているウエディングドレスは美しく、妹の愛美は冗談交じりにひがんでみせる。
「愛美……」
「冗談よ。今の旦那で満足しているし。お姉ちゃんはお姉ちゃん。私は私。本当にいい人に会えて良かったね」
「ありがとう」
鏡を離れて猫足のソファに座らされたとき、ノックの後に加奈とあずさが入ってきた。
「理子っ! おめでとう! きゃーっ、なんて素敵なの!」
ペパーミントグリーンの爽やかなスーツを着た加奈と奥様らしいクリーム色の訪問着を着たあずさ。
ふたりは瞳を潤ませ、自分のことのように喜んでくれている。
―――――
――――――――
3ヶ月後のようやく春の兆しが訪れた大安の日。
ふたりが都内のホテルで結婚式を挙げる日がやってきた。
理子は大きな鏡に映る自分を見つめた。
すでに花嫁の支度は終わっており、鏡の中の理子は康子が細部にまで気を使ってくれた美しいウエディングドレスを着ていた。
光輝くパールと美しい模様のレース、理子が幼い頃、夢に見たお姫様のドレスのよう。
アップにした髪を飾るのはパールのティアラ。耳と首を飾るのもダイヤとパールの宝石だ。
「お姉ちゃん、お姫様みたいね。なんて羨ましいんでしょう。私、結婚早まったかな~、お姉ちゃんぐらいまで待てばセレブな王子様がやって来るかもね」
自分のときはホテルのレンタルドレスで、比べ物にならないほど姉の着ているウエディングドレスは美しく、妹の愛美は冗談交じりにひがんでみせる。
「愛美……」
「冗談よ。今の旦那で満足しているし。お姉ちゃんはお姉ちゃん。私は私。本当にいい人に会えて良かったね」
「ありがとう」
鏡を離れて猫足のソファに座らされたとき、ノックの後に加奈とあずさが入ってきた。
「理子っ! おめでとう! きゃーっ、なんて素敵なの!」
ペパーミントグリーンの爽やかなスーツを着た加奈と奥様らしいクリーム色の訪問着を着たあずさ。
ふたりは瞳を潤ませ、自分のことのように喜んでくれている。