甘い恋の始め方
「今は完全にフリーですから。理子さん、よろしくお願いします!」
頭がテーブルにくっつきそうなほど下げられ、理子の目が丸くなる。
(よろしくお願いしますって……頭を下げられても……)
頼んだバナナジュースがやってきた。
浩太も飲んでみたいと、同じバナナジュースを頼んでいた。
美味しかったらしく、一気に飲み干す勢いに理子は笑う。
「もう理子さんの笑顔、やばいです。ずっと笑っていてほしいな」
ふいにドキッとするようなセリフを囁かれて、理子は浩太に圧倒されっぱなしだ。
「俺、ヘアデザイナーになったんですよ。近いうちに理子さんの髪弄りたいな。ここらへん伸びすぎてうっとおしそうですよ」
浩太の指先が理子の前髪に触れる。
さらっと指ではじかれ、また理子の心臓がドクンと鳴った。
「も、もう行かなきゃ」
伝票を手にして理子は立ち上がった。
「理子さん!」
怒った顔をして浩太がやってくる。
「な、なに? どうしたの?」
「ここは俺が払います」
財布を出した浩太は理子より先にお金を払う。
外に出てから払えばいいかと、理子は先にカフェを出た。
支払いを済ませ店を出た浩太に理子はお金を渡そうとした。
「理子さん、俺のプライドをズタズタにしないでください。今後、デートの費用は俺が払いますから」
そう言って、お金を押し返される。理子はしぶしぶ受け取った。
「ごちそうさまでした」
翔のデートを思い出せば、ほとんどが割り勘だった気がする。
(そりゃ二股かけていたら、デート費用もないよね)
再び代官山の駅に向かって歩き、着いたところで浩太と別れた。
頭がテーブルにくっつきそうなほど下げられ、理子の目が丸くなる。
(よろしくお願いしますって……頭を下げられても……)
頼んだバナナジュースがやってきた。
浩太も飲んでみたいと、同じバナナジュースを頼んでいた。
美味しかったらしく、一気に飲み干す勢いに理子は笑う。
「もう理子さんの笑顔、やばいです。ずっと笑っていてほしいな」
ふいにドキッとするようなセリフを囁かれて、理子は浩太に圧倒されっぱなしだ。
「俺、ヘアデザイナーになったんですよ。近いうちに理子さんの髪弄りたいな。ここらへん伸びすぎてうっとおしそうですよ」
浩太の指先が理子の前髪に触れる。
さらっと指ではじかれ、また理子の心臓がドクンと鳴った。
「も、もう行かなきゃ」
伝票を手にして理子は立ち上がった。
「理子さん!」
怒った顔をして浩太がやってくる。
「な、なに? どうしたの?」
「ここは俺が払います」
財布を出した浩太は理子より先にお金を払う。
外に出てから払えばいいかと、理子は先にカフェを出た。
支払いを済ませ店を出た浩太に理子はお金を渡そうとした。
「理子さん、俺のプライドをズタズタにしないでください。今後、デートの費用は俺が払いますから」
そう言って、お金を押し返される。理子はしぶしぶ受け取った。
「ごちそうさまでした」
翔のデートを思い出せば、ほとんどが割り勘だった気がする。
(そりゃ二股かけていたら、デート費用もないよね)
再び代官山の駅に向かって歩き、着いたところで浩太と別れた。