甘い恋の始め方
******
ランチから戻るとすぐに会議が始まり、終わったのが19時だった。
デスクの上に置きっぱなしのスマホを確認する。
不在着信に「悠也」の名前。「悠也」の名前を見ただけで、心臓が大きく跳ねた。
(かけてきた……)
理子は部屋を出て、急ぎ足で給湯室へ行った。
悠也に電話をかけるのだが、それだけで足が震える。
数回の呼び出し音ののち、深みのある低音の声が聞こえた。
『理子さん』
「着信が……」
『ええ。食事の誘いです。これからいかがですか?』
「え……っと、はい。大丈夫です」
『まだ会社ですか? 近いようなら迎えにいきましょう』
(それだけは無理ですっ。やっぱり久我副社長は車で通勤しているんだわ)
「しょ、職場は恵比寿なんです。お店を言ってもらえれば行きます」
同じ会社だとは言えない理子は頭に浮かんだ場所を言った。
『出会ったレストランに予約を入れてあります。そこまで来られますか?』
「はい。20時には行けると思います」
「では楽しみにしています」
電話が切れた。
(これからデート……?)
今の会話を思い出していると、ハッとなる。
(こんなことしてられないわ)
ランチから戻るとすぐに会議が始まり、終わったのが19時だった。
デスクの上に置きっぱなしのスマホを確認する。
不在着信に「悠也」の名前。「悠也」の名前を見ただけで、心臓が大きく跳ねた。
(かけてきた……)
理子は部屋を出て、急ぎ足で給湯室へ行った。
悠也に電話をかけるのだが、それだけで足が震える。
数回の呼び出し音ののち、深みのある低音の声が聞こえた。
『理子さん』
「着信が……」
『ええ。食事の誘いです。これからいかがですか?』
「え……っと、はい。大丈夫です」
『まだ会社ですか? 近いようなら迎えにいきましょう』
(それだけは無理ですっ。やっぱり久我副社長は車で通勤しているんだわ)
「しょ、職場は恵比寿なんです。お店を言ってもらえれば行きます」
同じ会社だとは言えない理子は頭に浮かんだ場所を言った。
『出会ったレストランに予約を入れてあります。そこまで来られますか?』
「はい。20時には行けると思います」
「では楽しみにしています」
電話が切れた。
(これからデート……?)
今の会話を思い出していると、ハッとなる。
(こんなことしてられないわ)