甘い恋の始め方
第2章
一歩進んで
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金曜日の夕方、8階の会議室でミーティングを済ませた理子と加奈は廊下を歩いていた。
「ね、営業1課の橋本君、けっこう良くない? ミーティング中、彼の視線をちょくちょく感じたのよね」
歩きながら先ほどまで一緒だった営業1課の男性の話を加奈は持ち出す。
身長も高く、体育会系のがっしりした体躯。
2歳年下だけど、引っ張ってくれそうなタイプ。
ミーティングでもどんどん案を出してくれるので、サクサクと会話が進んだ。
「そうなの? 加奈、婚約しているんだから他の男によそ見しちゃだめよ」
理子は笑いながら軽くたしなめる。
「だって、結婚したらよけいにだめじゃない。だから今のうちに」
「婚約者のいる人は余裕ね」
話しながら歩いていた理子の足が、ギクッと立ち止まる。
それから加奈の腕を鷲掴みして自販機の横のスペースに身をひそめる。
「ちょっと、なにしてるのよ」
突然の理子の行動に、加奈が呆れた口調だ。
金曜日の夕方、8階の会議室でミーティングを済ませた理子と加奈は廊下を歩いていた。
「ね、営業1課の橋本君、けっこう良くない? ミーティング中、彼の視線をちょくちょく感じたのよね」
歩きながら先ほどまで一緒だった営業1課の男性の話を加奈は持ち出す。
身長も高く、体育会系のがっしりした体躯。
2歳年下だけど、引っ張ってくれそうなタイプ。
ミーティングでもどんどん案を出してくれるので、サクサクと会話が進んだ。
「そうなの? 加奈、婚約しているんだから他の男によそ見しちゃだめよ」
理子は笑いながら軽くたしなめる。
「だって、結婚したらよけいにだめじゃない。だから今のうちに」
「婚約者のいる人は余裕ね」
話しながら歩いていた理子の足が、ギクッと立ち止まる。
それから加奈の腕を鷲掴みして自販機の横のスペースに身をひそめる。
「ちょっと、なにしてるのよ」
突然の理子の行動に、加奈が呆れた口調だ。