甘い恋の始め方
婚活パーティー
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ビルのエレベータで7階に下りた理子は品の良い男性に出迎えられる。
「いらっしゃいませ」
優雅にお辞儀して出迎えてくれるおじ様だ。
理子は店の前で戸惑う。
想像では店の前にテーブルが用意され、番号札を渡されると思っていたから。
「あの、こ、こ、じゃなくて――」
(やだ、私ったら鶏みたいじゃないっ)
思わず婚活パーティーと言いそうになったが、察してくれた気の利くおじ様はにっこり「パーティーの方ですね」と言ってくれた。
パーティーはひとつだけなのだろう。他にもあればすぐにわかってもらえないはずだから。
「はい」
返事をすると、「どうぞこちらへ」と場所を案内してくれる。
個室らしき前で、グレーのスーツを着た女性が背筋をピンとさせ立っていた。
肌のハリもよく、理子より年下に見える。
「お待ちしておりました。お名前は?」
「小石川理子です」
「小石川様、どうぞこちらのネームプレートをお首にかけて中へお入りください」
ペンダントタイプのネームプレートに「理子」と書かれてある。
理子は受け取ると、それを首に掛ける。
ビルのエレベータで7階に下りた理子は品の良い男性に出迎えられる。
「いらっしゃいませ」
優雅にお辞儀して出迎えてくれるおじ様だ。
理子は店の前で戸惑う。
想像では店の前にテーブルが用意され、番号札を渡されると思っていたから。
「あの、こ、こ、じゃなくて――」
(やだ、私ったら鶏みたいじゃないっ)
思わず婚活パーティーと言いそうになったが、察してくれた気の利くおじ様はにっこり「パーティーの方ですね」と言ってくれた。
パーティーはひとつだけなのだろう。他にもあればすぐにわかってもらえないはずだから。
「はい」
返事をすると、「どうぞこちらへ」と場所を案内してくれる。
個室らしき前で、グレーのスーツを着た女性が背筋をピンとさせ立っていた。
肌のハリもよく、理子より年下に見える。
「お待ちしておりました。お名前は?」
「小石川理子です」
「小石川様、どうぞこちらのネームプレートをお首にかけて中へお入りください」
ペンダントタイプのネームプレートに「理子」と書かれてある。
理子は受け取ると、それを首に掛ける。