甘い恋の始め方

普通のデート

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翌日、気分が高揚しているせいで、仕事に行くより早く目が覚めた。

目が覚めた途端に落ち着かない。

「電話、来るよね?」

ひとりごちる理子の目に、乱雑に物が散らかった部屋が目に入った。

「とりあえず掃除しなきゃ」

ざっと掃除を終え、部屋着のままでトーストを食べていると部屋のチャイムが鳴った。

トーストを持ったまま一瞬理子は固まる。

(え……?)

朝の7時30分。

(こんな朝早くに誰だろう? お母さん? 愛美?)

トーストを皿の上に置いて玄関に向かう。

「はーい」

朝ということもあってスコープで誰なのか確かめずにドアを開けた理子は、またもや身体を硬直させる。

「ゆ、悠也さんっ!」

カジュアルなニットセーターとジーンズ姿の悠也が微笑みを浮かべて立っていた。

「おはよう。来るのが早かったようですね。でも良いものが見られました」

悠也の視線に理子はハッとなり、自分がすっぴんで色気のないグレーのスウェット姿なことに気づく。

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