ウェディング・チャイム
7月の行事予定
~『自分の言葉』で伝えること~
「今日は何枚やったんだ?」
「一枚です。ただ、漢字五十問テストなので丸付けには時間がかかります」
「それはご苦労さん。うちは国語の聞き取りテストと社会の学期末テスト。多分、そっちの一枚と同じくらいの時間で終わるだろうな」
「じゃあ、お互い頑張りましょう!! これが終われば嬉しい夏休みですから! 夏季休暇中、どこ行こうかな~」
「その前に、早く評価事務を終わらせろよ」
「……そうでした」
放課後、いつものようにコーヒーを飲みながら今日の出来事を報告する私。
今月に入ってからは『評価事務』も始まり、そちらの進行状況も逐一チェックされている。
俗にいう、通信簿をつけるための作業でもあるのだけれど、これをもとに一人ひとりの成績を見て、二学期はどんな手だてを考えるのか、どうすればもっと伸びるか、という事も考えるので、教員の自己評価にもつながる大事な仕事。
人が人を評価するのだから、もちろん明確な評価基準というのもある。
森が丘小学校の場合、ここまで到達できていたら『よくできました』で、ここより上は『大変よくできました』になって、残念ながら到達できていない場合は『がんばりましょう』という三段階。
テストの成績だけではなく、授業中の挙手やノート、作品の仕上がりなどももちろん評価の中に含まれるので、できるだけその基準も明確になるように、一日の最後に授業の様子は必ず記録しなさいと、甲賀先生にアドバイスされていた。
毎日閻魔帳に記録した挙手の回数、ノート評価も全部まとめておくと、いざ学期末になっても慌てずに済むから、と。
甲賀先生の言う通り、これだと客観的に見ても平等な評価になると思った。