恋したメアリ
そこは大学病院の手術室を連想させた。

ガラス窓から見下ろした位置に巨大なベッドが置かれてあった。


ベッドを肌色の肉塊が埋めている。

そして、その肉塊にもたれるようにして浅川芽有が横たわっていた。


間違いない。俺の知っている浅川芽有だ。

浅川は全裸で瞳を硬く閉じていた。
そして何より衝撃的だったのは、浅川の左半身が真下の肉塊と融合しかかっていることだった。

呼吸だろうか。肉塊が上下すると浅川の身体も上下する。
それは浅川を眠っているように見せた。

< 23 / 33 >

この作品をシェア

pagetop