恋したメアリ

エピローグ

高校からの帰り道、電車はたいてい座れる。


俺の通う高校がかなりの田舎にあるためだ。


進学校の悪いところはテスト期間の三週間も前から部活が停止になるところだと思う。

俺は生物学研究部とフットサル部を兼部しているため、普段は忙しい高校生活を送っているが、
毎度このテスト期間ときたらヒマ過ぎて死んでしまいそうになる。


座席に深く腰掛け、頭を窓にもたせかける。

午後の西日は強く、乗客のまばらな車内をオレンジ色に染めている。


とろとろのオレンジジュースの中にいるようだ。
背中が日光で暖かい。
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