ヒトノモノ

「ったく、可愛すぎて我慢も限界だな」





「…え？」





「その顔、狙ってるとしか思えねえ」





「そんなつもりない」





「詳しいことは後。俺は葵が好きで、葵しか欲しいと思わない」





「…っ」





そんなこと面と向かって言われたら私が何も言えなくなるのをきっとこの男は知っているのだろう。だからこそ私の上で余裕の微笑をみせているんだ。




顔が近づき唇が塞がれた。蓮の全てが入り込んで来るような激情を表すキス。こんなの初めてで合わせるのが精一杯。




キスに夢中になっているうちにワンピースは下ろされすでに下着までもが取り払われ何も身につけていなかった。




恥ずかしがる私をよそに蓮もワイシャツを脱ぎ捨てると直に膨らみに触れてくる。




「あっ、…ふぁっ」




「もっと葵の声が聞きたい」





先端を口に含まれ転がされただけで下腹部に熱いものが込み上げてきた。




それを知っているように蓮の左手は潤っている場所を執拗に攻める。それに耐えられずギュっとシーツを掴み甘い声を上げながら私は達した。