ヒトノモノ
私が目覚めた時、ベッドはもぬけの殻だった。やはり昨日の一件は一夜だけの関係だったのかと呆然とする。
はは…私ったら馬鹿もいいとこ。男の甘い言葉を真に受けて体まで許してこの有り様。笑い話にもならないじゃない。
涙がツーっと頬を伝ったその時、ガチャっと重い音がして部屋のドアが開いた。目の前には上半身裸で腰にタオルをまいた蓮。
「え…なんで」
「なんでじゃねーだろ。お前なに泣いてんだよ」
「べ、べつにっ」
「ふーん可愛いねぇ。俺が居なくて泣いてたのか」
私の潤んだ目元を親指で拭うとその目元にキスをする。ピクッと私が反応すると蓮は嬉しそうに笑い頬に唇にとさらにキスをした。
「もう一回、啼かせるとするか」
「・・え?」
蓮の唇が首筋を這い両手は膨らみをやわやわと揉みなで回す。全裸の私は隠す事も逃げる事も出来ずすでに蓮の思う壺だ。
そして私は与えられる感覚に酔いしれ蓮が言った通りさんざん啼かされた。