恋踏みラビリンス―シンデレラシンドローム―
じっくりと追い詰めるように行為を進めていく和泉くんは、一時間弱経ってからようやく私の要求に応えてくれて。
それからしばらくしてツラそうに息を吐き出した後、私の身体を解放した。
胸も普通サイズだしスタイルいいわけじゃない、凹凸の少ない身体なのに触ってて楽しいのかな、なんてぼんやり考えながら、和泉くんの胸におでこを寄せた。
私と同じくまだ熱を持っている和泉くんが、私の髪を優しく撫でる。
それだけで、嬉しさだとか愛しさが胸の中には納まりきらないほどこみ上げて溢れ出してくるから、堪らなくなって抱きつく。
えっちしている間よりも、終わった後のこういう時間の方が愛情みたいなものを感じられて好きかもしれない。
物理的に繋がっていた時よりも、一番近い距離に感じられる瞬間に思えるのはなんでだろう。
「身体、大丈夫?」
すぐ近くから聞こえてくる声に、恋愛感情のたっぷりと貯まったダムが決壊しそうになるのを抑えながら頷く。
「大丈夫。嬉しかったから。
でもごめんね、凹凸少なくて」
つまんないよね、と言った私に和泉くんは少し黙っていたけど、意味が分かったのか数秒後に苦笑いが聞こえてきた。